鉄は燃えないけれど木は燃える、と誰もが思っています。
けれども、火災安全性からみると、木の家は、結構しぶといのです。
木は、温度が300℃になって燃え出します。
しかし木は不導体なので、柱の表面が燃えても、中はすぐには影響を受けず、梁などの荷重を支え続けます。
その間に人は避難することができます。 このことを事実をもって教えてくれたのは、法隆寺金堂でした。
この建物は、679年に建てられ、1949年まで一度として火災に遭ったことはありません。暖房器具の不始末から火災になり、貴重な壁画は消失、大破しました。
しかし、建物の主要構造部分はほとんど焼け残り、わずかな修復工事を施しただけで、
今も斑鳩の里に建っています。
鉄の建物は、それ自体は不燃です。
けれども鉄は熱伝導性が高いので、火災になり炎が鉄の階段を舐めると、人はもう身動きがとれなくなります。
そして高温に達すると、鉄はぐにゃりと変形します。
現代の火災で恐いのは、新建材によるガス事故です。
有毒ガスを発生させない自然素材を選ぶことが、最善の火災対策なのです。
本日は短めに木と火事について列挙してみました。