まだ寒い2月下旬。都会暮らしにはなれない梼原の寒く厳しい土地に現場監督が降り立ちました。
普段は大工とともに、製材され加工された木材を組み上げていく監督。
今回は、新しく着工している八尾の家の木材検品作業に行ってきてくれました。
木の家を建てると決めてから、家の木材に無垢材を使うのか、集成材を使うのかは大きな分かれ道となります。
良い悪いではなくそれぞれに特徴があります。
ここでは、国産無垢材を使うときのソーラーコムがこだわる木材管理法のひとつをご紹介します。
その前に、ソーラーコムでは高知県産の梼原材を使わせていただいています。
木材がいよいよ大工の手元に運ばれてくる前に、実際の設計や現場の担当が高知へ出向き、「検品」と呼ばれる作業を行ってきます。
梁・柱などの製材後の木の状態を一本づつ全て確認し、どの部屋に割り当てるか図面を片手に見ていきます。
ソーラーコムの「陽の木の家」のように真壁、つまり無垢の木を見せる仕上げの場合には、そのまま化粧になりますので、
例えばリビングの一番目立つところなどに、節が大きかったり、黒ずんだりしている材が来てしまうと(品質には問題ないのですが・・・)見た目によくないですよね。
だから、打合せを実際にしたり、現場に立っているスタッフが、自ら検品と割り振りに現地へ行くのです。
時には、大きな割れがあった場合は、取り替えてもらったりもします。
※木材の割れ:建てる時、住んでからも、調湿をして空気を清潔にしてくれている生きた材料のため、表面的な割れは強度にはまったく影響がない
梁の継手で木材の目がまったく違ってしまったら、見た目がよくありません。
木目の幅が狭い・広い、揺らぎが大きい・小さい、という風に一本一本性格が異なります。
これを検品で似たような材料が隣りあわせにくるように割り振っていきます。
片面だけが化粧になる場合には、その面さえ表情が綺麗であれば使えたりします。
例え木材自体が綺麗もの同士でも、見た目の幅が大きく違っていれば横並びには使えないこともあるのです。
もちろん、全棟構造計算を行い、梁せい(梁の幅に対する高さのこと)が決められていますので、H330もH240もH180の梁も全品見ていきます。
これらは、現地の組合やプレカット屋の皆さんにお任せしてもいいことなのかもしれません。
実際丁寧に丁寧に見てくださいます。
私たち設計士や現場監督が木材の検品に行くことは実はとても大変なことなのです。
私たちは大阪から高知の梼原へ向かいますので、飛行機代がかかり、棟数をまとめて見る場合は泊まり込みにもなります。
現地の方々も長く拘束してしまいます。その間、現場を見ることも、図面を書くこともできません。
それでも全棟実施しているのは、 国産無垢の木材に対する想いと、やはり伐採祈願祭を経て建てる「一緒につくる家づくり」を行っているからです。
お施主様のためだけではなく、担当するスタッフの責任と湧き上がる愛着のためでもあります。
お施主様の伐採祈願祭に立ち会い、検品へ行き、現場で建て、お引渡し、住んでからも家守りをしていく、
こんな家づくりはちょっとめんどくさくなりますが、誰にとっても幸せなことです。
そのように建てられた家は、お施主様も私たちも、お子さんもとても大切にしていってくれます。