【i-works1.0住まい手宅見学レポート】第4回:収納アレンジによってストレスを減らす

  • 投稿日:2021.6.27
  • 伊礼智/i-works
  • 暮らし/健康

住んで1年のi-worksにお客様と見学しに行ってきました。

暮らしや感想を皆さんにシェアしたいと思い複数回に分けて投稿しています。

第4回は「収納アレンジによってストレスを減らす」です。

 

第1回では「i-works、アレンジはした方がいい?しない方がいい?」と題して、アレンジについて詳しくお話しましたが、

収納に対する考えは家づくり構想段階できちっと固めておくことが、暮らしの中のストレスを減らす大きな要素になってきます。

 

本題の収納アレンジに入る前に考えておきたいことがあります。収納計画を単に「収納はあるに越したことはない」「ウォークインもいいし、各部屋にも欲しいし」ということではなく、一度物に対しての固定概念などを見直して、「暮らし全体で見たときの豊かさって何だろう?」に着目してみると家全体の計画が豊かになっていくと思います。

 

◆収納計画の前に、物を減らす意識も持ってみよう◆

少し脱線しますが、

「大きな収納が必要→物が多い→物で暮らしの問題を解決しようとしている→対症療法で更に物が増えていく」

紐解いていくとこれに当てはまることが多いように思います。もちろん収集家の方・物が好き・持たざるを得ない・多趣味・職業上など様々な暮らしがありますので、数ある意見のひとつとしてお聞きください。i-worksで豊かな暮らしを送るための収納に対する考え方のひとつです。

 

戦後日本は物資豊かになり、物で溢れかえった暮らしをしてきました。

物を持つことが豊かであるとされていた時代に生まれ育った世代が今の家づくり世代です。

 

家の中の物を全部外に出して見せてくださいという企画(「地球家族」より抜粋)

このような暮らしをしていてはいい家を建てても良い暮らしはできない

住まいが豊かな日本以外の国々は、先進国・途上国に関わらず、実は物が少ない暮らしをしているのです。

 

今では断捨離が心の豊かさに繋がるとされ、ミニマリストや物をなるべく持たない暮らしが世に出て来たのも、物からの脱却を図る時代に突入している証拠なのだと思います。

 

必要最低限の収納、必要最低限の灯り、必要最低限の道具、ひとつひとつを最小限にとどめていくことで空間に余白ができ、ゆとりを感じることができるのです。

i-worksの標準が美しいのはこの余白を上手く使っているからで、i-worksに先ほどの写真の雑多を詰め込むと暮らしは豊かにならないのです。

 


例えば壁の余白。スペースがあるからといってやみくもに棚を作らない。

 

実際私たちで家づくりをされる方は、「次建てる家では物を持ちたくない」「スッキリ快適に暮らしたい」「元々日頃から物を処分するようにしている」という方がとても多いのです。

 

物が多いお客様に、捨てられずに使わないもの・ストック品・2年に1回しか使わないもの、これらを抱えていると、探す土地も建てる建物も永久に不動産代として消えていくことをお伝えすると、「物を手放して建物を小さく建てたい」という風に考えが変化していくことがあります。場合によっては1坪減らすだけで100万円単位で予算が出てくるのです。

その予算を、叶えたかったキッチンや、家族の健康を想った塗り壁に投資することができるのです。一生ものの家具なら一体いくつ買えるでしょうか。

 

詳しくは売れている断捨離の本を3冊くらい読んでみてください。物を手放してスッキリしたくなると思います。そこから先は家づくりが一気に楽しくなります。

 

過去にクローゼットの中のハンガーについて、服好きの私自身が投稿した記事も参考にしてみてください。

収納づくりと洋服選びが楽しみになりますよ。

「クローゼットの収納が増えるハンガー選び」を読む


「押入れ」という強引な言葉ではなく、服選びでワクワクするような収納にしたい

 

i-worksの収納の話に戻ります。

 

1枚目が入居前、2枚目が入居後です。

画像の説明文
画像の説明文

 

テレビボードやリビングの設えが増えただけで、スッキリ収まっているのがよくわかります。壁沿いに荷物を置かず、床面がしっかり見せることがポイントです。床置きの物をどれだけ減らせるかで見た目も掃除手間もグッと減らせます。

 

角度を変えて、1枚目が入居前、2枚目が入居後です。

画像の説明文
画像の説明文

 

こちらもキッチン・ダイニング周りが整然としています。家電も機能満載の大型のものではなく、シンプルなタイプにすることでコンパクトに収まっています。

さらに収納が余っているのがわかります。

 

もちろん子育て世代にとっては、育児必需品やおもちゃがあちこちに散乱し、日々整理整頓をする暇も気力も失ってしまうことがあります。そんな方にこそ、美しく保ちたくなる心と箱を木の家で実現して欲しいと常日頃思っています。実は収納にはコツがあります。

 

こちらはi-worksではありませんが、15年前の「陽の木の家」第一棟目の住まい手様宅です。いつも整理整頓されている空間を保つ秘訣を奥様に伺うと、「家の収納サイズに合わないものはなるべく買わない」「棚の上に何でもかんでも置かない」と基準を設けておられるそうです。

 


いつ訪れても整理整頓された空間は、家族も来客も心地がいい

 

i-worksの空間デザインを維持するには参考にしたいお考えです。

掃除手間と散財は減り、住んだ後も快適な暮らしをするのに必要なことなのだと感じます。

 

ちなみに、「それでも物を捨てられないんです」「時間もありません」「どうしても愛着があるんです」「全部必要なんです」という方もおられますよね。とてもよくわかります。その場合は、本当にそれを「使っているか」で判断してみてください。例えばジブリアニメや料理系人気Youtuberなどのキッチンは物で溢れているのに整然としています。これは全て「日頃から使っている」からなのです。埃が溜まったり、瓶のフタが固いなどということにはなっていません。いつも使うから取り出しやすく整理しておこうというバイアスがかかっているのかもしれません。

 

i-works収納に戻りまして、今回の住まい手様が増やされたのがリビングのトール収納。

なぜ増やす必要があるのかをきちんと整理できていたことが成功の要因のようです。上着を2階クローゼットまで持ち運ばなくて済むようにしたかったというご主人。大きな玄関収納をつくらず小さく収まるi-worksを選択して正解のご様子でした。

 

1枚目、2枚目がつくばのオリジナル、3枚目が今回の収納アレンジです。

 


壁・天井・建具とも白に統一することで空間が広く感じる


2人がけできるデスクは、子どもたちの勉強スペースや書斎にも使える。大空間でありながら居場所をつくるとはこういうこと


1階の収納量が計画通りになったとのこと。縮小したカウンターは化粧台替わりにもなるという

 

重心の低いi-works家具を採用して収納量を確保するのも有効です。


i-worksソファとの高さを揃えることで建物の意匠性と合致する。既製品の組み合わせでちぐはぐな空間にしないためのコツでもある

 

i-works1.0の収納量を試算した際の記事も参考にしてみてください。

知識の蔵「適正な収納量の出し方」を読む

 

もしも、「花粉の季節のコート、長時間の外出後の上着は外で処理したい」「雨具を室内に持込みたくない」という方は、大きめの玄関収納という選択肢があるのですが、i-works1.0ではアレンジすることはできません。(i-works3.0なら可能です)

そこで玄関一体型の外物置という便利なものがあります。意匠性も心地よさも使い勝手も、全てが向上するとても重宝する物置です。

今回の見学者様はキャンプ道具を収納したいとのことでした。この中に入るものを想像しただけで暮らしのストレスがぐっと減りそうです。


伊礼設計作法では別付けの物置を組み立てることは少ない。地域の景観を良くするという重要なコンセプトもあるからだ


玄関を出ると小さく美しい空間に包まれた外物置がある

 

前半でお話したように、必要のないものを手放すだけでi-worksの収納は十分な量になります。今後計画される方はいつでも相談してくださいね。きっとスッキリした暮らしができるようになります。

 

まずはどこから捨てていきますか?

 

・玄関まわり

・物入れ

・洗面まわり

・キッチンまわり

・リビングまわり

・寝室

・子供室

 

無くても困らないものが多いことに気づくと一気に加速するかもしれません。

 

次回、「第5回:重心を下げて、落ち着きのある暮らし」もお読みいただけると嬉しいです。

 

伊礼さんのお話で分かる設計作法とi-worksを建てる上での勉強会

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