1年経ったi-works住まい手様宅をお客様と一緒に拝見してきました。
暮らしや感想を皆さんにシェアしたいと思い複数回に分けて投稿しています。
第9回は「毛布のいらない冬」です。
ひと冬を越した感想を伺うと、「本当にどこにいても暖かい冬を過ごせました」とおっしゃっていました。
このi-worksに搭載されたのは、OMソーラーの全館空調「パッシブエアコン」。
どこにいても暖かく、涼しい1年を過ごすことができます。
まず簡単に3つの特徴を挙げます。
仕組みは簡単で、暖房は床下からじんわり吹き上がり、冷房は吹抜けや天井から吹き下してくる。壁付けエアコンとは違い風も柔らかく頭痛や冷えの原因などにはなりません。1年を通して「暑い・寒い」をほとんど言わなくなるので暮らしのストレスもかなり軽減されます。
建物が高性能のため一度快適な室温になってしまえば、安定した熱量でその後も動き続けます。緩やかな電力消費なので、個室ごとにたくさんのエアコンを動かしている家に比べると電気代もかなり抑えることができます。夏場が2000円~3000円だった例も。なにより帰宅時の不快な空気を感じることがないのが一番のいいところです。
壁付けエアコンはどこか一度故障してしまえば、買い換えることを前提として作られるのに対し、パッシブエアコンは部分補修前提で作られているので、建物同様に永く使うことができます。基盤・ファン・リモコン・配線等々、交換しながら永く付き合っていければ、経済的で快適でもあります。
i-worksが他の家と違うのは、こういった便利で新しい設備に頼るような家づくりではないところです。
20年以上前から、OMソーラーやエアコンがなくても快適な家に挑戦してきたから、より便利な設備が出て来た今、さらに心地よさを引き出せるようになりました。
つまり、建物の断熱・気密の性能、人が心地良いと思える素材を使っているか、ここが最重要で、その上で高性能な設備が活きてくるというものなのです。
床は柔らかく温かい杉の無垢材、壁・天井は左官素材を塗り込んだエッグウォール、建具にはビニール製のメーカー品ではなく木製建具、こうすることで調湿や香りで空気が柔らかく、吸っていて気持ちのいい質に変化していきます。
従来より、目に見えない構造と骨組みをとても大切にしてきました。単なる強度数値ではなく、揺れに対して粘りの出る無垢材、伝統工法の長ほぞ込栓、壁の中には湿気を調湿する断熱材で年十年経っても効果の落ちない物を使います。
i-worksでは構造材を見せずに壁と天井で覆いますので、ますます壁の中が健康であることが求められます。
これらのことを丁寧に作り上げていった結果が、「冬寝るときに毛布がいらなくなった」というこの住まい手様の言葉に繋がっていきました。
冬、夜の室温のままだと、深夜就寝時には逆に暑くて目覚めてしまう。だから毛布が不要な上に、緩やかな暖房にしても大丈夫なのでしょう。完全に切ってしまうと、冷える明け方にもう一度暖め直す動力がもったいないので、底冷えしない程度の緩やかな運転で十分なのです。
建物と設備のおかげで、健康な空気質が完成し、真冬でも薄着、素足で過ごすことができるうようになります。健康な空気質は、早寝早起きを促進させ、こどもの肺活量は上がり、家での事故が減り、ストレスの軽減にも繋がります。
よくソーラーコムの勉強会やセミナーでお話している、G1レベルのそこそこの外皮性能+α(障子・ハニカムカーテン・素材の選び方)でリーズナブルに十分快適に暮らすことができるのです。無理に数値だけが高い家を選ぶとそれが長持ちするかどうかが見過ごされていることが多いので要注意となります。
次回、第10回は「ここもあそこも自分の部屋にしたい」です。
全12回まであと3回。お楽しみに。
伊礼さんのお話で分かるi-worksの設計作法と実際の建て方 勉強会