1年経ったi-works住まい手様宅をお客様と一緒に拝見してきました。
暮らしぶりやi-worksのことを全12回で投稿しています。
今回は見学者様のお話。
以前からi-worksのことを好きでいてくださり、自分の住む地域で1.0のタイプを建てるにはどうすればいいのかを真剣に考えておられました。自分たちがi-worksを建てることで、愛する地元地域の景観・子育てをする同世代にいい印象を与えられる。街への貢献ができるのがこのi-worksであるということでした。
その中で、実際に住んでいるi-works1.0の見学で楽しみされていたのが、
1、収納
2、窓
3、階段
この3つの意匠と機能です。
家の中が物で溢れる時代は昭和の終わりからずっと続いています。暮らしのストレスを物で解消しようとする便利で賢い時代でもあるのですが、家づくりにおいては不利に働くこともあります。土地・建物にかかる予算が収納のために跳ね上がり、物置部屋や開かずの間を抱え続けることに繋がりかねません。きっと皆さんの今の住まいにも、使っていない物、使えていないスペースがありますよね。
そこで収納が適量で作られているi-worksです。以前の記事でも紹介しましたが、オリジナルでは1階が少し少なめ。2階が十分。ということが分かっているため、1階に収納を増設するアレンジが多いのが傾向です。
今回のご見学者様は事前にどの位置が収納として使えるのか、その寸法はいくらなのかを事前に図面をリクエストされ、当日現地でメジャー計測されておられました。
もし皆さんが「i-worksの収納は少ないのでは・・・?」とお感じになっているようであればそれは物量を見直すチャンスです。建物は小さくなり、掃除は楽になり(埃がたたない)、床置きはしなくなり、心もスッキリと物の少ない理想の暮らしができるようになります。
ソーラーコムのi-works住まい手様は、元々物が少ない暮らしをしている方と、いつか処分したいと思いながらも今のところ必要な収納量を増設される方とに分かれます。いつかは捨てたいという意思があればi-worksでの暮らしはとても向いていると思います。余白を大切にする家づくりなので、スペースがあるからといって詰め込んだり、作り込んだりするのではない手法が、空間づくりには大切になってきます。
家づくりだけでなく、暮らしの中にも余白があると心が豊かになります。
以前、「収納が増えるハンガー選び」についての記事を書きましたのでこちらも参考にしてみてください。
室内をスッキリさせる一つの方法として建物一体型の外物置という選択もあります。趣味の道具が多い方、滅多に触らないが捨てられない物、背の高い物などかなり重宝します。
今回のご見学者様が次に確認していたのが、写真の見栄えと実際の空間に悪い意味でのギャップがないかどうかでした。どの会社の見学に行っても建築写真は広く見えるように撮影されていることを危惧されていて、i-worksも特に窓まわりの意匠を確認・体感するのを楽しみにされていました。これは本気で住むことを考えていないとなかなかできないことです。
それを確認したかった一番の場所が、スライディングドアLWの大開口です。
実際に窓・縁側空間に身をおくとその心地よさは写真以上の感動があり、まったく狭さを感じない、むしろ天井が低く、コンパクトな空間なのに広く感じるということでした。見学では、なぜここにこの高さの窓なのかということをお話し理解を深めていただきました。
縁側空間と繋がるその窓が絵画のようになります。リビングにテレビも置かない方が増えるのはこの窓があるからです。伊礼建築にお住まいの豊中の家の住まい手様も絵も飾らない、テレビもあまり見ない暮らしになったとのことです。
長らく1階で談笑して次に話題に上がったのはこの階段です。
思わず「これがあの憧れの階段なんですね」と、写真から得ていた階段の印象がとても良いものであったことがわかります。設計された伊礼さんは、「階段が家の顔となって主張するようではいけない」とおっしゃっていました。このi-worksでは美しい階段が顔のように見えて、実は主張しすぎずリビングに溶け込んでいることがよくわかります。
そこには階段詳細の納まり、素材の選び方が多大な影響を与えています。手触り、上りやすさ、眺めて落ち着く、細かい仕事がされている、というように訪れる人の憧れになることも納得です。
五感に素直なこどもが真っ先に向かうのが大開口の縁側空間かこの階段というのも頷けます。
普段の仕事、建てさせていただいた住まい手様の家を「憧れ」だと言っていただけるなんて嬉しい限りです。知れば知るほど綿密に住まい手様のことを考えて設計される伊礼さんの凄みが見えてきます。
次回、第12回はいよいよ最終回、「住まい手が唯一後悔していること」です。
お楽しみに。
伊礼さんのお話で分かるi-worksの設計作法と実際の建て方 勉強会