伊礼さんの新刊 オススメです

伊礼智氏の新刊がリリースされました。

住宅設計作法Ⅲ「心地よさのものさし」として描かれています。

プロ目線での読み物なのですが、住まい手さまやこれから家づくりを始める建築素人の方でも読みやすく、

また、伊礼さんに頼めずとも工務店に要望をオーダーする上でとても参考になる話ばかりです。

 

先日出版記念講演があり、そこで印象に残った伊礼さんのお言葉をご紹介。

写真は過去の伊礼さんとソーラーコムの共作から設計作法を学んでいきます。

 

ー窓の大きさと建物の奥行の取り方について

  「開口部(窓)の幅以上の奥行きを取るようにしている」

    室内の明暗のグラデーションが美しなるということでした。

i-worksの施工例。光の陰影で空間に深みが増す。

南側の開口から眺める奥行き。2階の部屋まで視線が抜ける。

 

ー永田格子(伊礼さんアレンジ)の建具について

  「西日が楽しい。光が遊びにくるような面白さがある」

    既製品のアルミ樹脂複合サッシを使っても内側に木建の格子を入れることで趣ある窓にできますよね。

2016年竣工の豊中の家のリビングダイニング。永田格子を内部の木建としている。

内部には断熱の「ハニカムサーモスクリーン」を仕込んでいる。

 

ープロポーションと素材に対する考えについて

  「プロポーション(ここでは開口部や建物形状のこと)さえ崩れなければ、素材にはこだわらなくていい」

    ただやみくもに予算を落とすためにビニールクロスなどを使うことはやはり推奨できませんね。

重心は低く、薄くかつ細く仕上げることで、美しいプロポーションになってくる。

開口も照明も家具もしっかりと重心を落とす

 

読み進めるとわかる、設計に出ている伊礼さんのお人柄。

建物写真も大きく、多めにとってあり、ほれぼれする作品が並び、自分の時間もスローにしてくれます。

このシリーズが多くの人の手に渡り、

「とにかくブランド」「とにかく大きな家」「とにかく収納」「とにかく煌びやか」このような考えが少なくなっていくことを願うばかりです。

情緒的なところを掘り下げる建物がどういうものか、

設計によりコクと味わいを出す、

暮らしながら奥ゆかしさと深みのある空間になっていくことが分かる一冊です。

 

ソーラーコムではおかげさまで「i-works1.0」着工棟数全国1位を記録しました。

伊礼さんの「i-works」、ソーラーコムの「陽の木の家」ともに、

随時見学会を開催していますので、ぜひ心地よさを体感してみてください。

「陽の木の家」完成見学会を見る

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