広々としたリビングは住まい手の一番の要望といっても過言ではありません。 ここでは小さくても、開放的なリビングのつくり方をお話しします。 そこで考えたいのは、屋外を積極的に室内に取り入れること。 リビングの機能を外部に延長した「アウトドアリビング」で家族の団欒や食事を楽しみたいものです。 また、街中の狭小地や住宅密集地でも屋外の開放感をリビングに取り入れることができれば、広々した愉しい家が出来上がります。 リビングと一体化した屋外ウッドデッキを造る場合には注意しないといけないことは、外との一体感と外部からの視線のカットを両立させることが、間取り設計計画のポイントです。 「住宅密集地で、開放的な木造住宅で暮らす」 住宅密集地の敷地をギリギリまで利用して開放的な家を建てると、外部からの視線が敷地内まで届き、プライバシーを守れなくなります。 費用のかかるコートハウスではなく、敷地を最大限使って、開放的かつプライバシーを確保する方法として、建物の外壁の外側に壁を立て、半屋内のアウトドアリビングをつくる方法があります。 外周の壁には開口を設け、通風(風通し)と採光を確保します。 リビングコーナー部(建物角部)の両側には直交する大きな片引き込みのサッシ設置。この窓を開けると、室内からアウトドアリビングまで続く開放的な空間になります。 外側外周の壁の内側は反射光を採り入れるため、白い仕上げにするとより明るく開放感が増します。 壁が高すぎると圧迫感が生じるので、2階の窓からの視線も考慮しながら高さを設計します。 注意しないとならないメリット・デメリットとして、敷地いっぱいに建物を建てる場合は耐火の延焼ラインを考慮して、開口部に防火サッシを用いなければなりません。 ただし、この壁を設けたことは、高価かつ見栄えや使い勝手の悪い防火サッシをリビングで使わずに済むというメリットもあります。 大阪のような都会では、中心地への近さを求めるほど敷地の狭小化を余儀なくされます。 一見不幸なことのように思われがちですが、住宅の広さが住まい手や家のクオリティーや生活の質の向上に本当に寄与するのか、今一度考えてほしいものです。 建てる住宅が広くなれば、面積の増加による総工事費増加は元より、掃除・メンテナンスの手間や十数年後に発生する修繕費なども増え、住まい手の暮らしに負荷がかかることになります。 とは言っても、ただ狭い住宅をつくればよいわけでももちろんありません。 階段を複数設けて回遊動線を立体的に配置するなどの建物内の動線計画や、テラスをつくって外部を内部に取り込むような空間の使い方など、設計の工夫を住宅内に散りばめることこそが、住まい手の満足度を向上します。 たとえば、30坪以下でも4人家族が十分豊かに暮らせる住宅は実現可能なのです。 本日はここまで、、、 続きは、、、また来週に更新致します。 ]]>