【宇治市】陽の木の家 子どもと共通の趣味のある暮らし

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【宇治市】陽の木の家 子どもと共通の趣味のある暮らし

見どころ

2023年1月、宇治市に完成した28坪の木の家。

たんぽぽ通信2023年1月号掲載の、お施主様の家づくりストーリー(原文まま)に沿ってご紹介していきます。

長く木の家に住むために必要な知識を身に付け、選んだソーラーコムの「陽の木の家」。

一番大切にしていただいた目に見えない木の家の構造、その上で叶えていく日々の暮らしや動線、間取り、仕上げ、そして家族みんなの共通の趣味が叶うアレンジ。

このお施主様の物語を読んでいただくと、住んだ後の暮らしのイメージがぐっと湧いてきます。

木の家づくりで必要な考え方や優先順位の付け方、木の家に住むということはどんなことを大切にしなければならないのかが見えてきます。

100年200年住める木の家です、どうか土地探しも工務店選びも焦らず、写真とテキストをじっくりと読み進めていくと同じ境遇の方も勇気がもらえると思います。

 

家づくりのきっかけ

私達の家づくりの歴史はおおよそ十年と少し長いです。大きく分けて四期に分かれます。

第一期(未熟期)

戸建住宅を考え始めたのは、十年前、子供ができた時でした。それまでは、転勤があったこともあり社宅に住んでいたのですが、定住地がほしいと思ったからです。その頃は家のことは何もわからず、とりあえず近くの分譲住宅の見学会に行って説明を受けたり、大手ハウスメーカーの展示場回りをしたりしていました。いろいろ見て回った結果、某ハウスメーカーで家を建てようかというところまで進みました。契約まではいかずとも営業の方とそこそこ話が進んだように思います。ただ、まだ土地が決まっていませんでしたので、親の知り合いで中古物件を扱う不動産業を営んでいる方に土地探しをしてもらうことにしました。

妻の実家の近くで土地を探していたら、たまたま住み心地が良さそうな中古物件が見つかりました。築二十五年でしたが数年前にリフォームをされており、建て直さずとも住める家です。若干家の傾きを感じる気がするなあと思い調べてもらったのですが、その程度の傾きは中古物件だとあり得るし、築二十五年という年月からこれ以上の傾きは進まないだろうということで、購入を決めました(これが後々に影響します)。その物件が、現在住んでいる家です。その時も、新築を建てるか中古物件を購入するか、とても迷っていましたが、今から思えば、無知だった私達が、その時点で本格的な家づくりをしなくてよかったと思います。特に家のことについて勉強もせず、言われるがままの家が出来上がっていたら、色々と後悔していたかもしれません。

第二期(学習期)

中古の戸建住宅に住み始めてはいましたが、いつかは自分達の考える家を建てたいという思いはありました。この頃は趣味程度に夫婦でいろんな見学会に行っていました。書籍を購入し、家づくりの勉強を始めたのもこの頃です。新聞広告などに載っていたセミナーの

受講も始めました。ここで気づいたのは、人生で一番の大きな買い物と言われる住宅で、あまりにも知らないことが多いことです。見学会やモデルハウスでは、はっきり言って良いことしかわかりません。自分のところを悪く言う営業はいないですから。

書籍やセミナーから概ね次のことがわかりました。

現在の日本の多くの家は三十年程度しか持たないつくり
工業化された住宅では健康被害を受ける可能性がある

家も人も、不調があればまた別のを準備すればいいというものではないので、「本当に健康で長持ちする家」を追求していくことになりました。ソーラーコムさんとの出会いはこのときです。時期は忘れましたが、かれこれ今から七、八年前でしょうか。社長自らがセミナーを実施されており、説明される内容がその時点での私の考え「健康で長持ちする家」に合致するものでした。梼原町森林組合で社長が直に木を見て選別すること(今はそこまでされていないようですが)や、基礎の大切さ、シロアリ対策を学ぶことができました。社長の木の家に対するこだわりがすごく感じられたセミナーだったと記憶しています。ただ、今の家もあるので具体的に新たな家を建てる計画は進みませんでした。


健康に必要なのは表面的な自然素材ではなく、目に見えない構造的なところ。また通常は説明すら受けない基礎工事も初めの段階で工法やなぜそれが必要なのかをご説明している


まだ世の中の家づくりの多くは高い性能値を安く手に入れるばかりに10年15年でどんどん性能が目減りしていく。大切なのは次の世代でも暖かく涼しく、健康的な空気

第三期(転換期)

今から五、六年前に再び家づくり計画をすることになりました。近くに住む両親と二世帯住宅を建てる計画です。現在住んでいる家の当初気になっていた点、家の傾きが大きくなってきているのではと感じ始めました。家の購入に当たって最初に気になったところは最後まで気になるのだなと勉強になりました。この頃の見学会で見つけたのが「ログハウス」でした。ここでも営業の方とかなり話が進みました。もう契約寸前だったと思います。ですがまた、やめることになりました。理由は、急いで建てる必要がなかったことと、「十年に一回程度の外側塗装(年をとるとできない作業)」、「虫が居座る(妻と子がかなり虫嫌い(笑))」というところにひっかかりを感じていたからです。ハウスメーカーさんには期待させてすみませんという感じでした。

第四期(成熟期)

去年、実家の隣の土地が空くことがわかり、今が家を建てるタイミングということになりました。ここで数々の勉強をしてきた中でどの工務店にしようかというときに、ソーラーコムさんということにほぼほぼ決めていたので、妻が勉強会を受けていなかったことと、自分の考えの整理も兼ねて、オンラインで勉強会を開催していただきました。ここで改めて思ったのが、社長の家づくりに対する思想がいいと思っていたことは当然そうですが、材料である木の仕入先、施工者である大工との距離が社長と近いことでした。今まで勉強をしている中で、社長の考えはいいけどそれが下まで伝わっていないなあと感じる工務店がありました。ソーラーコムさんはそうではないと思い、これが決め手となりました。家づくりの勉強をし始めておおよそ十年で自分の家を建て始めたということになります。


ソーラーコムの家づくり勉強会は自社の優位性ばかりを伝えるものではなく、長持ち・構造・健康のコンセプトで建てるために必要な判断基準の知識をお伝えしている

モデルハウス・完成見学会・勉強会・梼原町での伐採祈願ツアーでの思い出

伐採祈願祭ツアー・梼原町森林組合での思い出、想い完成見学会は結構行かせてもらいました。行くたびに木のいい香りがして、どの家もいいなと思っていました。施主さんのこだわり部分とソーラーコムさんのこだわり部分がうまくマッチしているんだなあと感じました。

伐採ツアーは、コロナ禍でそろそろ再開するというタイミングで行かせてもらいました。そのときは私達家族だけになり、京都の自宅から自家用車で行くことにしました。なんとこのときに高知県の雑誌の取材をさせてほしいという依頼がありました。梼原の木材を使った家をつくるという紹介記事を載せるということです。思い出作りにもなるなぁということで依頼を受けることにしました。梼原町森林組合での説明や伐採の様子を写真に撮っていただき、やや緊張しながらの取材は家族のいい思い出です。梼原町は本当に良い町でした。森林組合の田尾さんの案内で、いろいろ見学させてもらいありがとうございました。子供は図書館が気に入って一日中ずっといたいと言っていましたし、民宿「いちょうの樹」では最高のおもてなしを受けました。すごい量の地元産の料理が出てきてどれもおいしかったです。残したものは無駄なくニワトリの餌になるので残すのは気にしないでと言われたものの、夫婦ともに食べ物を残すことに抵抗がある世代なのか、お腹がはちきれそうになるほど、

いただきました(笑)。田舎の家に来たかのように、気さくな女将さんが、とても和やかな雰囲気を醸しだし迎い入れてくださいましたこと、とても嬉しく思っております。少し残念だったのが、我が家一組だけだったことです。他の家族の方々と、合同ツアーであれば、家づくりの話に花が咲いたかもしれないなと思います。


ソーラーコムがずっと大切にしている1泊2日の伐採体験。森を見るだけでなく、これから建てる家の木を目の前で伐採、後日図面で梁の場所を決めていく


大切に育てられた木を使わせていただく。森の神様に感謝をして、これから家を大切にする気持ちがより一層深まる


今回の住まい手の伐採には地元の取材班が付いた。森の様子だけでなく製材所見学の様子も記事になった

間取り・プランニング・こだわった部分

私達の求めるところですが、私が「機能・性能」のいいもの、妻が「見た目・使い方」のいいものという分かれ方でした。機能・性能はソーラーコムさんに決めた段階でほぼ満たされたようなものです。見た目・使い方はじゃあ妻に任せた!というわけにもいかず二人で考えていくことになりました(笑)まず希望の集大成である「ヒアリングシート」を書くことから始まりました。これがかなり大変でした。将来のことも含めて考えると予想がつきにくいこともあり難しかったです。ですが今から思うとやっぱりすごく大切な作業だったなと。夫婦間のすり合わせ(社長に言わせれば「家に一番長くいる奥さんが満足すること」でしょう)、希望の順位をしっかり決めておくべきだったと思います。間取りを考える際にかなりブレました。ごっそり変更した図面を描いていただいたりしてご迷惑をお掛けしたなあと思っています。ようやく決まったときには安堵しました。辛抱強く図面を描いていただいたので本当にありがたい気持ちでいっぱいです。

こだわりは「フリースペース」「風通し」「家事動線」といったところです。「フリースペース」では、鏡をつけて運動ができるようにしたいと思っていました。四畳分ほどの鏡が付くことになり大満足です。これから家族で、体力作りにはげむ予定です。「風通し」も考えました。裏の他の家の位置や、実家での生活から得られた風の向きなどを社長にお伝えしてプランニングしていただきました。

「家事動線」で特に考えたのは洗濯です。雨天時や、家族が花粉症で春は外に干せないということからベランダを無くしサンルームを作ることにしました。それも二階ではなく一階にして、脱いだ服を洗濯し、干すまでの一連の作業をできるだけ短い動線でということにしました。本当はウォークインクローゼットも作って、洗濯物に関しては全部一階で済ませるということをしたかったのですが、一階に寝室をもってきたこともあって一階が広くなりすぎるので、ウォークインクローゼットは断念することにしました。

また、設計中にはこだわってはいなかったのですが、今は下屋がすごく気に入っています。前々から二階建てで急勾配の大きな屋根に憧れがありました(前述のログハウスがそれに近い造りでした)。現実的には何十年か後に葺き替えをするのにこれは大変だし費用がかかりそうだから自分の家では無理だなと諦めていたのですが、費用を抑えるために総二階の案から二階を半分程度にしたところ、下屋ができました。立面図を見せてもらったところ、この屋根がなんとカッコイイこと!社長に、更に軒をぐっと出すようにしましたと改良を加えていただき、それはそれは満足のいく姿になりました。最高です!!


初回のご面談、見学会、勉強会で何度もお伝えする、価値観と優先事項の決め方。何度も何度も考えていくと理想と現実をしっかりと見極めることができる。道筋は家づくり勉強会で見えてきます


見学者からも絶賛されたサンルームと家事動線。


家族が一緒になって運動をする居間スペース。続きの間を仕切る製作建具に鏡を仕込んだ

地鎮祭・工事中の思い出

地鎮祭は神社にはお願いせず、川口社長に実施していただきました。今までに経験したことがなかったので、社長に教えていただきながら安全祈願をしました。全て準備をしていただき、ありがとうございました。棟上げのときは、隣が実家であることもあり両親含め家族で二階からずっと眺めていました。多くの大工さんとクレーンを使って木を組み上げていく作業は圧巻でした。柱と梁がパズルみたいにうまくはまっていく様子を見ているとすごく気持ちがよかったです。それから、完成後の大屋根を見たときは本当に感動!かなりお気に入りです!

大工さん・職人さん・スタッフについて

棟上げが終わってからしばらくは、ほぼ棟梁一人の作業でした。月曜日から土曜日まで夜遅くまで、すごく丁寧に施工してもらったと思います。今住んでいる家から近いこともあり、何度も家の中に入らせてもらい、状況を見させてもらいました。その際も快く対応していただきました。近所の方からも本当に丁寧にされる方ですねと聞くことがありました。本当にいい棟梁に施工してもらったなと感謝しています。

キッチンや風呂、トイレを選ぶときにお世話になった花田さん。いろいろと迷って決められない私達に快く付き合っていただいたと思います。真剣さがすごく伝わってきますし、安心感を与えていただきました。あれこれ注文をお願いしてその度に設計図を書いていただいた福井さん。迷った時に提案をしていただき感謝しています。近隣へのあいさつ回りや現場監督として来ていただいた中村さん。黙々と、お仕事をされてた姿が、とても印象的でした。大貴さんからは家のことについて学ぶことが多かったです。社長の思想・意志を確実に継いでおられていますし、もしかしたらそれ以上に家づくりに対して信念があるのかなあと思う時もありました。仕事を継いでいる息子さんというだけでなく、自分の考えをしっかり持っておられる大貴さんがおられたこともソーラーコムに決めた理由の一つです。

社長の家に対する熱い思い、妥協せず納得いくまで考える家作り、本当に良い家をつくることを大切にされているんだなといつも感じています。他のスタッフに愛のある厳しい言葉をかけられることもあるようですが、一人一人に成長してほしいという願いが込められているということが打合せの際のお話などからわかります。その他あまり接する機会がなかったスタッフの方もたくさんおられると思います。一軒の家を建てるのに、たくさんの方々に関わっていただいているんだなということを、日々感じていました。本当に感謝の念が耐えません。


ソーラーコムの木の家は、自分の腕を磨き・試したいという大工でないと中々組み上げることができない。手間ひまかかる伝統工法の込み栓の一本一本にも魂が込められている


梼原の森からいただいた命を、現しの化粧として見せているのは決してコストや調湿のためだけではない。この木目を眺めることで心身で感じられるものが多い

新しいお家での楽しみなこと

もうそろそろ家に住めそうで楽しみでなりません。本格的な木の家の心地よさを早く感じたいです。ソーラーコムの事務所に打合せに行くといつも木の香りがしてとても良かったです。それが自分の家で感じられると思うととてもうれしく思います。ただ、住み続けると、慣れてしまってわからなくなってしまうようですけどね(笑)。住み始めたら、ウッドデッキで珈琲を飲んでゆったりと時間を過ごしたいと思っています。本当は、道路に机と椅子を出して、自分の家を眺めながら飲みたいところですが(笑)。しばらくは、寒い時期が続くので二階のフリースペースでゆったりかなと。吹き抜けになっているので、妻と子供が一階フリースペースの鏡の前でフラダンスを踊るのを眺めながらですかね。

家づくりストーリーは以上です。いかがでしたでしょうか。すでに木の家での暮らしを満喫しているお施主様。これからは住まい手様として長く家守りを一緒にしていきたいと思います。新鮮な空気の中安心して暮らしていきたい方、構造や健康を重視される方、土地探しやプランニングの正しい進め方に迷っている方は一度ソーラーコムにお越しください。他では教えてくれない家づくり勉強会で丁寧に学んでいただけるようにしています。


吹き抜けから眺めるフラダンスはどうだっただろうか。引き渡して3ヶ月。再訪が楽しみでならない


美味しい珈琲をいただくのに、どんな小さな椅子やどんな本がおともになっているのだろうか


機能性を重視したメーカーのキッチンと木の統一感を優先した製作の背面カップボードは使いやすいだろうか

 

2023年4月には豊中市で新たな「陽の木の家」が完成しました。

こちらの完成写真も後日公開。お楽しみに。

豊中市完成見学会のページ「5人家族のほぼ平屋+ロフト居室」

住まい手様も目からウロコの「家づくり勉強会」の内容はこちらから。

 

建物概要

設計・施工 設計・施工:ソーラーコム
建物概要 工法:在来軸組工法
敷地面積 182.97㎡(55.35坪)
建築面積 70.47㎡(21.31坪)
1階工事床面積 60.45㎡(18.29坪)
2階工事床面積 34.78㎡(10.52坪)
延床面積 95.23㎡(28.81坪)
外装 外壁材:そとん壁スチロゴテ仕上げ
内装 主要構造材:梼原杉・桧
床材:梼原杉(特一等)
内装:エコクロス・薩摩中霧島壁・
完成 2023年1月
システム 全館空調「パッシブエアコン」